箱根の岡田美術館で8月末まで公開されている、歌麿の《深川の雪》は必見だが、北斎の肉筆春画も公開されており、これが素晴らしかった。春画の定型的なモチーフ、構図を踏襲しながらも卑猥さが全く感じられない。春画を正真正銘の芸術へと高めている。同美…

若冲と蕪村

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サントリー美術館の「若冲と蕪村」は、見ごたえのある展覧会だった。 特に蕪村は、遅れてきた者として、中国文人画への憧れ、俳聖への憧れから出立し、独自に詩書画三絶を極めるに至っており、素晴らしい。 実は、蕪村も若冲に劣らず上手い描き手だが、過度…

Whole Art Catalog2

アートのカタログ展 2月11日(水)〜3月1日(日) 13:00〜19:00(月曜、火曜休み) ガレリア青猫 杉並区西荻南2−21−8http://www.ftf2000.com/aoneko/gareria_qing_mao/qi_hua_zhan_shi2015WAC2F_qi_hua.html吉祥寺のFACE TO FAC…

備忘録

建築と理念(ドローイング)に関する、三松幸雄さんとの対話。https://www.facebook.com/uedakazuhiko/posts/732803850135503

Whole Art Catalog

下記の展覧会に出品します。「Whole Art Catalog」【期間】Vol.1 1月9日(金)〜1月18日(日)12時〜19時 会期中無休・最終日17時終了 【会場】東京都武蔵野市吉祥寺南町1-18-8 ギャラリー・フェイス トゥ フェイス(吉祥寺駅徒歩4分 0422-70-0885 http://ft…

BI

「機械が人間の知性を超える日をどのように迎えるべきか?――AIとBI」 井上智洋 http://synodos.jp/economy/11503 シンギュラリティーによって、人間の労働力が不要になったとき、人間は自給自足の生活か、利子及び市場における資本取引による収益によって生…

デ・クーニング

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ブリヂストン美術館のデ・クーニング展。 絵は平板で面白くなかったが、一点だけ出品されていた彫刻が面白かった。 彫刻のエスキースとしての油絵という観方であれば納得できそうだ。常設室に展示されていた、ポロックやアレシンスキーなどは面白かった(こ…

狩野永徳

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展覧会最終日に、日本国宝展を観に出掛けた。 見ごたえのあるものが多かったが、特に永徳の「琴棋書画図」(聚光院)に圧倒された。 永徳は、中国絵画における「気」の思想を自家薬籠中のものとしつつ、独自の領域にまで高めた、日本絵画史上唯一の存在かも…

ジオ・ポンティ

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LIXILギャラリーのジオ・ポンティ展が面白かった。建築の表面に着目することで、建築を物質の積層から開放し、ファサードに2次元的な操作性を与えている。「窓のない墓=死」に対して、窓のある建築を生の象徴と見る考え方も興味深い。ポンティの窓を巡る思…

http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20141112(『偽日記』2014-11-12) 具体性が不明で、抽象化された物の不気味さ。物は常に具体的な物なので、物を徴づけている具体性が抹消されると、交換のための媒介項である貨幣の抽象性と見分けがつかなくなるために…

帝国の構造 柄谷行人著

旧来のマルクス主義者のように近代以後の帝国主義を単に批判するのでもなく、ネグリ=ハートのように世界資本主義の果てに見出される非中心化された帝国概念を抽象的に構想するのでもない。本書で柄谷が取った戦略は、古代から近世に至るまで、世界各地にお…

「現代絵画における理念のゆくえ ― バーネット・ニューマンの絵画をきっかけに」

日時:2014年7月26日 (土) 18:30 - 20:30 会場:ハギワラプロジェクツ 登壇者:レクチャー:三松幸雄(哲学/現代美術) 対談: 矢野静明(画家)x 上田和彦(画家) 参加費:700円 http://www.hagiwaraprojects.com/

ART CRITIQUE n.04

[対談]構造・啓示・狭間(はざま)世界――クレー・ニューマンへの視座 |矢野静明×上田和彦http://art-critique.info/post/82885551544/art-critique-n-04 Shop List http://art-critique.info/shop

組立-転回の最終対話が公開されました(前編・後編)。 http://kumitate.org/dialog/dialog19.htmlhttp://kumitate.org/index.html

矢野 静明展 色彩に関する断章

3月23日(日) 15:30〜17:00 「出品作品をめぐって」上田和彦×矢野静明 http://goo.gl/Hbi1Wk

組立-解体

近現代美術史、美術理論がご専門で、編集者の筒井宏樹さんを迎えて討議を行います。筒井宏樹×組立《オルタナティブ・アート・セオリーに向けて》 日時/2014.3.29 19:00-21:00 場所/桑沢デザイン研究所7Fサテライト教室展示、出版、シンポジウムから教育まで…

組立-転回

■「組立-転回」上田和彦×永瀬恭一+ゲスト:中山雄一朗 展会期:2014年3月3日(月)〜15日(土) 会場:東京造形大学 CS-lab http://www.zokei.ac.jp/cs-lab/ 時間:10:00〜18:30(日曜休み) 交通:https://www.zokei.ac.jp/smenu/access.html 専用web:「…

源 氏 山 無 患 子 の 実 の 無 か り け り

ターナー展 東京都美術館

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ターナーは、幼い頃より描写力に優れていた。その正確なデッサン力は、初期の教会内部を描いた鉛筆画に現れており、その運筆は、対象を描くための必要にして十分な運動量をしか持たない。そこには、まるで機械が描いたかのように、全く無駄な線が見られない…

い ず こ よ り 山 粧 ひ た り 月 の 暮

秋 暑 し 線 香 の 香 昼 下 が り

The Armory Show at 100

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1913年から丁度100年後の今年、アーモリーショーを回顧する展覧会がニューヨークで開かれている模様。この展覧会は、開催当時アメリカの人々に衝撃を与え、ここからアメリカのモダンアートが本格的に始まったと言っても過言ではない。アメリカのように歴史の…

鶴見俊輔 永遠の感覚

虹を見たとき、心が跳ね上がる永遠は価値観が発生したときに生じるそれは、霊魂不滅の生きられた感覚Exactness is a fake.公理の体系は作られたものだ

アントニオ・タブッキ「わが友人、忠彦」

http://sowwwt.suac.ac.jp/~hidedoi/001_004_tabucchi.pdf 文章のなかで、自分は小津ではないと語っているが、飾らない素朴なタイトルは、深い友情を表すのに十二分の効果をあげている。

小鍛冶白頭

NHK古典芸能への招待、宝生流の能楽「小鍛冶」(白頭)は圧巻だった。帝の勅使による命で劔を打つことになった小鍛冶だが、自らの技量に沿うような相槌がいない。稲荷明神で祈りを捧げ、相槌を所望すると、どこからともなく童子が現れる。童子は小鍛冶を励ま…

二つのシンポジウムの文字起こしを一部担当している。これがなかなか面白い作業で、論点は下に貼り付けたお二人の発言に集約されているかと思うが、個人的には語り手の語り方の癖を明晰に意識することができたのが収穫だった。これは、録音を聞くだけではダ…