若冲と蕪村

 サントリー美術館の「若冲と蕪村」は、見ごたえのある展覧会だった。
 特に蕪村は、遅れてきた者として、中国文人画への憧れ、俳聖への憧れから出立し、独自に詩書画三絶を極めるに至っており、素晴らしい。
 実は、蕪村も若冲に劣らず上手い描き手だが、過度に技巧に走らず、しかし同時に、道無き道をゆくという理想を追求することに成功している。
 書や画を前にして、蕪村の巨大な人格に包まれる。