2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アントニオ・ネグリ来日中止

来日予定であったアントニオ・ネグリ氏が渡航間際になって、日本の外務省から不要のはずであったビザ申請と、ネグリ氏が政治犯であったことを証明する書類の提出を求められたが、膨大なイタリア語書類の入手が難しく来日を断念したようだ。 小泉政権下の民営…

香り・夢・物の怪

駅前の桜並木を通ると、桜の花はまだ蕾であるのに風に乗って花の香りが漂ってくる。目に見えぬ物質による刺激が直接感覚器官に働きかける香りは、視覚像とは異なり、時間や場所の違いを超えて様々な記憶の断片と容易に結びつく。それは夢の中で、一見何の関…

池田満寿夫-知られざる全貌展 東京オペラシティアートギャラリー

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初期のキャンバスや、よく知られた版画の作品群は、さまざまな作家からの影響こそ感じられはしても、池田満寿夫自身が何をしたかったのかが上手く伝わってこない。晩年までは、ひたすら習作の時代であると考えたい。特筆すべきは、90年代以降の陶芸作品で…

熊谷守一展 埼玉県立近代美術館

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美術学校時代の初期作品から晩年の日本画に至るまでの作品群を網羅した、質・量ともに充実した展覧会だった。確かなデッサンに裏付けられた初期の人物画からは、対象に向かう優れた認識能力が伺える。この時期の作品には、色彩は殆んど用いられておらず、画…

「芸術作品を見ること、作ること」

今年のはじめ頃、四谷に岡崎乾二郎と松浦寿夫による、「芸術作品を見ること、作ること」と題された公開対談を聞きにいった。理論的にと言うよりも、ルネサンスから近代くらいまでの、具体的な芸術作品の写真に即して作品の見方についてざっくばらんに語ると…