2008-01-01から1年間の記事一覧

それが誰であるのかは判らないが、どこかで見たことがあるという気配だけを感じていることがある。そして相手から正体を告げられ、髪型の変化や眼鏡の有無によって、その相手が誰であるかを知ることができなかったのだと悟る。接写された写真を見るときにも…

淡路町の家

art

西片建築設計事務所の小野弘人氏より、ご自身が設計に関わられた「淡路町の家」の写真が掲載された平成建設HPをお教え頂いた。撮影は山岸剛氏。http://www.heiseikensetsu.co.jp/photo21_1.html 通りに面したファサードの写真を見ると、この建築の設計が非常…

画廊巡り

GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVEで坂川弘太/村山伸彦展。坂川の作品は、コンピュータによって制御され、機械仕掛けによって回転する両側の機械をストッキングに似た伸縮性のある素材が結んでいるという形式。片側の機械だけが回転し、ひも状の素材が捩れるこ…

木々の繋がり

確か、現代美術館の「パラレルワールド」で観たと記憶しているのだが、樹木を土から掘り出して逆さに植え直したものを写真に撮った作品があった。自然を利用した反自然、自然を飼い馴らす手段の誤用。樹木はその上下によって機能は異なるが、どちらも形態は…

消費税

経団連が政府に対して、消費税を10%に値上げすることを要望する方向で最終調整に入ったと、マスコミ各社が報じている。経団連に属する大手の輸出企業は、輸出品に関して消費税が掛からないのに加え、輸出品の仕入れに掛かった消費税すらも還付される仕組…

社会という自然

プロイセン人(ルーゲ)は、政治的な判断や理解がないと革命は起こらないかのようにいうが、シュレージェンの蜂起をみても、労働者が政治的に目覚めて起きたわけではない。労働者が生活しえなくなった、その現実から起こっている。ルーゲは、政治的な意識と…

詩篇

80.3×60.6cm acrylic on canvas 2008

日輪 天井川 

53.0×45.5cm acrylic on canvas 2008

杣径

72.7×60.6cm acrylic on canvas 2008

陽の翳り、葉叢の影 

50.0×60.6㎝ acrylic on canvas 2008

山水 谷の埋木

90.9×72.7㎝ acrylic on canvas 2008

明け方、幽霊と共に

65.2×53.0㎝ acrylic on canvas 2008

「零のゼロ2008」展覧会参加メモ

大分市のアートプラザで開催された、「零のゼロ2008」展に参加してきた。昨年に続いて二度目となる。今回は、前回に比べて出品者が増えたことで作品の出品点数も130点あまりと膨らみ、会場内の交通整理が最大の課題となった。搬入時においては、作品…

セミ 作品の変遷

今年はセミが鳴きはじめるのが遅いと思っていたが、ある日を境に一斉に鳴き始め、もう死骸が転がるようになった。樹が無くなればセミもいなくなる。樹がある限り、セミの生と死も続く。 大分での展覧会のために発送した作品は既に会場に届いたようだ。こうし…

建築がうまれるとき 利部志穂

art

近代美術館で、「建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳」展。当たり前だが、いつもと客層が異なり、会場は建築に興味がありそうな人たちで一杯であった。大体において、私には美術の学生よりも建築の学生のほうが真面目であるという印象がある。こ…

零のゼロ2008

下記の展覧会に出品します。 アートプラザ10周年記念展 零のゼロ20081FギャラリーA+2Fアートホール2008年8月12日(火)〜8月17日(日)9:00〜19:00(最終日18:00)主催:零のゼロ/アートプラザ(アートと暮らそう♪実行委員…

「アートと資本主義」へのコメント

井上治幸氏より、「アートと資本主義」へのコメントを頂きました。ありがとうございます。http://yukinomatusima.blog66.fc2.com/blog-entry-97.html

中国美術を導入すること

art

先日記事にした「中国の山水と花鳥」展を観たことをきっかけに、中国山水画、特に袁派についてもっと知りたいと思うようになり、日本語で読める文献を探してみたが、袁派はおろか中国山水画に関しても、あまり充実した出版状況にないということがわかった。…

中国の山水と花鳥−明清絵画の優品− 町田市立国際版画美術館

art

個人コレクションに基づく、明、清時代の山水花鳥画を集めた展覧会である。宋元画を引き継ぐ明時代の作品では、陳淳の「倣米家山水図巻」が、横長の画面にたっぷりとした墨を含んだ筆触のコントロールに優れていた。ただ、面白い作品は明よりも清時代の物に…

「アートと資本主義」再録

『PUNCTUM TIMES』に連載していた「アートと資本主義」というエッセイが、「組立」blogに再録されました。 ・永瀬恭一氏によるガイド http://d.hatena.ne.jp/eyck/20080708#p1 ・第一回 http://d.hatena.ne.jp/nagase001/20080707 http://d.hatena.ne.jp/nag…

万緑に紛れ柿が実をつけている

最近目にして良かったもの

art

hino galleryで小林良一展。朱に近い強い赤に対しては濃い緑、ピンク色に対しては薄めの黄緑というように、パターンの異なる補色対比を連動させて絵作りをしている。形態も色彩も、予め計算された範囲での作業では全くなく、筆が進むにつれ、その都度判断力…

文脈の摩擦が示すこと

猿が選挙演説をするという設定で制作されたイー・モバイルのテレビCMが、黒人の大統領候補であるオバマ氏の演説風景を、人種差別的なパロディに仕立て上げたものだという解釈による批判が、アフリカ系アメリカ人を中心に噴出しているとCNNが報じている。http…

fragment

バスの模様が 向かいの窓ガラスに反射している バスからガラスまでの距離とガラスから奥の壁面までの距離が等しく 壁面と模様は丁度重なり合い 壁と一体となり 透過する視線によって まるで壁に描かれた模様のように見えている 片輪ずつ 三筋の轍が 弧を描き…

「組立」上田和彦×永瀬恭一展

下記の要領で展覧会が行われる予定です。本日企画が公開されました。詳しくは専用ブログをご覧ください。 ●「組立」上田和彦×永瀬恭一 ・ 期間:未定 ・ 会場:未定 ・ フリーペーパー「組立」を、会場内で会期中のみ発行(執筆者:上田和彦・永瀬恭一他) ・…

「組立」永瀬恭一×古谷利裕展 masuii R.D.R gallery

art

通常のギャラリーでの展示に加え、専用ブログにおける企画段階からのドキュメントや、小説家・磯崎憲一郎との対談企画、展覧会出品者を含む4人の作家によって執筆された小論を纏めたフリーペーパーを会場で配布するなど、多面的に構成されたユニークな二人…

色彩について

少なくとも私にとっての色彩は、絵具が整然と並べられたパレットを一望の下に把握できるような位置から、厳格に統御できるものではない。勿論色彩の選択や筆触の置き方について、自身の意思が関与していることは確かであるが、制作者の意思は、常に色彩同士…

エミリー・ウングワレー展 国立新美術館

art

エミリー・ウングワレーの作品を論じるときに、モダニズム絵画との関連がよく指摘されるようだが、ウングワレー自身はそのような美術史的な文脈の外を生きた画家である。その技術や感覚は、アボリジニの伝統的な儀礼であるボディペインティングや、祭祀のた…