ジオ・ポンティ

 LIXILギャラリーのジオ・ポンティ展が面白かった。建築の表面に着目することで、建築を物質の積層から開放し、ファサードに2次元的な操作性を与えている。「窓のない墓=死」に対して、窓のある建築を生の象徴と見る考え方も興味深い。ポンティの窓を巡る思考は、全てが窓(あるいは透明な無窓構造)となった、フィリップ・ジョンソンの「ガラスの家」に対して、あえて窓枠を機能的に設えることで、モンドリアンのような絵画性を伴うフレキシブルな平面空間を実現してゆく(自邸)。ポンティの明晰さには、モダニズムの可能的思想のコアがある。