2005 ADC展

http://www.recruit.co.jp/GG/exhibition/2005/g8_0507.html

先日たまたま、2005年度のADC展を見る機会があった。例年に比べると、質が高い印象を受けたのは、デザインと広告のバランスが取れているからだろう。それを象徴してか、今年はサントリー伊右衛門がグランプリを取った。伊右衛門は、エンターテイメントとデザインと商品力が上手くバランスを取り合って、売上に貢献した例であり、そうした総合力が広告を一段高いレベルにまで引き上げていた。

他では、毎日新聞の木の年輪を紙面全体にレイアウトした広告が、素人っぽさを感じさせるものの、メッセージとデザインの明解さで眼を引いていた。

ただ、扱われる媒体が商業広告に片寄っているのは、いつもの通りであり、アートディレクションという職能の新たなる可能性を感じさせるような、根本的な新鮮さは感じられなかった。ジャンル自体に再考を促すような危機意識が存在しないのは、残念なことだ。