埼玉近美で竹岡雄二を観て後、世田谷美術館でマヌエル・アルバレス・ブラボを観た。竹岡も面白いところがあるが、ブラボは特に良かったのでカタログも買った。長期に渡る研究を反映し、内容も充実している。ブラボの写真は全てが比喩になっており、凄まじい詩的深度をたたえている。考え抜かれた構図でありながら、決定的瞬間を逃さない。場所と時間が持つ一回性と、その背後にある世界を、ここまで強く刻印できる写真家を他に知らない。