野村和弘展(秋山画廊)
暗月−a dark moon 2(トキ・アートスペース)
若宮綾子展(藍画廊)
Olafur Eliasson Feeling things(ギャラリー小柳)
有原友一・戸塚伸也・繁田直美展(ART TRACE GALLERY)
組立(人形町ヴィジョンズ)


 オラファー・エリアソンは、街中を巡回するトラックに搭載された巨大な鏡を撮影した映像作品。この作品に限って言えば、知覚の捉え直しというよりは、ギー・ドゥボールとは別の仕方での(スペクタクル社会に対する)抵抗のあり方を思わせた。


 有原友一の作品は、絵具が積層する画面から、鈍さと同時に光を伴った明るさを感じさせる。その感覚は、微弱ではあるが、フラットに、且つ継続して感じられる。一方「組立」に出品している境澤邦泰の絵(画面の大部分が絵具で塗り込められたタイプの作品)は、光を内部に溜め込んでおり、外へと容易には漏らさないように見える。そのことが分かったのは、A-thingsでの展示に出品されていた、斜めの構造を持った作品(筆触が散りばめられたタイプの作品)を観てからで、それらの作品は反対に、画面を斜めに引き裂いて、光を外側へと放射しているように見えた。