三つの器

その時、目前には三つの器があった。

一つには熱き液体を、二つには冷たき液体を入れ、三つは空のまま置き、まず一つ目の液体を空の器に注ぎ、二つ目の液体を今や空となった一つ目の器に注ぎ、一つ目の液体によって満たされた三つ目の器に入った液体を空となった二つ目の器に注ぐという操作を繰り返し行えと、先生は言われた。

私は言いつけられた通りに液体を注ぎ続け、起こるべきことが起こるのを黙して見守ったのだ。