法にかかる政治的バイアス

自衛隊イラク派遣に反対するビラを、立川の自衛隊官舎で配っていた市民団体の運動員が住居侵入罪に問われていた裁判で、東京高裁は1審の無罪判決を棄却し、逆転有罪判決を下した。

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2005120901001417_Detail.html

他の広告ビラは容認し、政治的ビラだけを住居侵入罪という名目で排除することは、明らかに不当な権力の濫用だろう。
もし、国が政治運動を阻止したいのであれば、戦前の治安維持法のような悪法をでっち上げ、正式な政治犯として、運動員を裁くのが筋ではないだろうか。
法は運用者によって政治的バイアスがかけられた網の目のような形をしている。自由に伸縮する法の網は、確率の力で見せしめによる反体制の排除を時折行なう。所詮小さな政府というものは、見えない所に国家権力という「セーフティーネット」が張られたまがい物であり、そうであるからこそ米国は日本買いを続けられるのである。鏡に眼がついていないように、それらは互いを無反省に照らし合わせるだけの単なる機構である。しかし、単なる機構はどのような人間的なシステムにも増して、淡々と「仕事」を遂行するのである。