何を買うかということを消費者が主体的に決めてゆく、消費によるボイコットに問題があるとすれば、それは消費の自由を享受できる層に可能性が限られる点だ。多くの消費者は、1円でも安い商品を求めて行動せざるを得ない状況に置かれている。そこに選択の自由は無い。そのような中で、それでも選択消費を行うとすれば、家計を圧迫してでも消費の自由を行使するという、成熟した消費者像を想定しなくてはならない。それは果たして現実的だろうか。それよりも、消費に対する根本的な態度変更こそが重要だ。例えば、商店に売られている食品のうち、9割以上は身体にとって不必要な栄養物である。そのことに多くの人々が気づいたとき、現在の過剰消費によって支えられている経済体制はラディカルな変動を迫られる。