2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

fragment

バスの模様が 向かいの窓ガラスに反射している バスからガラスまでの距離とガラスから奥の壁面までの距離が等しく 壁面と模様は丁度重なり合い 壁と一体となり 透過する視線によって まるで壁に描かれた模様のように見えている 片輪ずつ 三筋の轍が 弧を描き…

「組立」上田和彦×永瀬恭一展

下記の要領で展覧会が行われる予定です。本日企画が公開されました。詳しくは専用ブログをご覧ください。 ●「組立」上田和彦×永瀬恭一 ・ 期間:未定 ・ 会場:未定 ・ フリーペーパー「組立」を、会場内で会期中のみ発行(執筆者:上田和彦・永瀬恭一他) ・…

「組立」永瀬恭一×古谷利裕展 masuii R.D.R gallery

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通常のギャラリーでの展示に加え、専用ブログにおける企画段階からのドキュメントや、小説家・磯崎憲一郎との対談企画、展覧会出品者を含む4人の作家によって執筆された小論を纏めたフリーペーパーを会場で配布するなど、多面的に構成されたユニークな二人…

色彩について

少なくとも私にとっての色彩は、絵具が整然と並べられたパレットを一望の下に把握できるような位置から、厳格に統御できるものではない。勿論色彩の選択や筆触の置き方について、自身の意思が関与していることは確かであるが、制作者の意思は、常に色彩同士…

エミリー・ウングワレー展 国立新美術館

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エミリー・ウングワレーの作品を論じるときに、モダニズム絵画との関連がよく指摘されるようだが、ウングワレー自身はそのような美術史的な文脈の外を生きた画家である。その技術や感覚は、アボリジニの伝統的な儀礼であるボディペインティングや、祭祀のた…

三つの器

その時、目前には三つの器があった。一つには熱き液体を、二つには冷たき液体を入れ、三つは空のまま置き、まず一つ目の液体を空の器に注ぎ、二つ目の液体を今や空となった一つ目の器に注ぎ、一つ目の液体によって満たされた三つ目の器に入った液体を空とな…

エルンスト・バルラハ 鈴木正治

あることがきっかけで、2006年に東京で開催されていた、エルンスト・バルラハの展覧会を見逃したことを思い出し、ショックを受けた。当時も、見逃したことがわかった時点で同様の感覚を覚えた記憶があるが、2年経った今も変わらぬ鮮度で同じ気持ちを持…

道端で、四羽ほどの雀が啼いていた。近づいてゆくと、三羽ほどはふわりと空中へ舞い上がってゆくが、残りの一羽はやけにのんびりと構えており、羽ばたいても浮力が十分になく、地面に対して平行に飛ぶのみである。怪我でもしているのかと心配になって見ると…

『赤めだか』立川談春著

立川談春著『赤めだか』を読んだ。私の中で青春記と言えば、和田誠の『銀座界隈ドキドキの日々』や明本歌子の『コズミック・ファミリー アクエリアスの夢を生きる女』などが重要だが、談春の本もこれらに匹敵するほどに面白い。引き込まれた。良い青春記は、…

アジサイ

アジサイが咲き始めている。場所によって成長の早さに違いはあるが、家の前に咲いているものなどは、薄緑色をした小さな花に混じっていつのまにか大輪の花を重そうに提げている。アジサイは、枯れ色をしている茎の中に頂芽が隠れていて、季節になると突然伸…

横浜・ターナー賞

Art Gallery山手で『山手の坂道と風景展』を観る。ギャラリーを出て、中華街が近かったので昼食に中華まんでも買おうと思い、朱雀門から入ってしばらく歩くと、威勢の良いおばさんに店頭で声をかけられた。客が他にいなかったことと、買う買わないの判断を飛…