2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

岡崎乾二郎「ZERO THUMBNAIL」展 A-things

art

岡崎乾二郎作品の大きな特徴として、表現主義的な絵画のストロークを分析し、それを元にストロークのフェイクを再構築して画布上に構成するという、間接的な手法が挙げられるだろう。このことは、リキテンシュタインが抽象表現主義絵画のストロークを漫画風…

牛乳は、水にしちゃまずい水だと思って飲みます。 『蒼蠅』熊谷守一(著)

真横から句稿覗きて五七五

四方より波砕け来て遠くに船浮かぶ(横浜にて)*1 *1:帰り際に、道路側から見た良く晴れた山下公園は、スーラの「グランド・ジャッド島の日曜日の午後」のようだった。スーラは太陽が強く照りつけた時の光の中にある陰影や、影の中に生じる様々な色彩を巧み…

二重の政治に潜む落差を意識すること

作品に少しでも分節可能な構造を意識するのであれば、すでにその背後には政治が迫っている。政治に対して向かい合うか否かは、主体にとって選択可能な問題ではなく、方法を意識した制作そのものに予め織り込まれているものと見るべきだろう。政治という言葉…

山田正亮 須田悦弘 蔡國強

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画廊轍で山田正亮展。今回は、ストライプ絵画に焦点をあてた展示である。山田作品の中では、60年代初頭の約2年間程に集中して描かれた、多色ストライプの作品をもって嚆矢とするという画廊主の話を聞きながら観覧する。雪舟や等伯が中国の水墨を日本の風土…

俳諧と現代美術

江戸俳諧も現代美術も、形式の展開を見た場合、ジャンルの自立から複雑化へというように、類似した流れを辿ることができる。しかし、形式の展開だけを見るならば、そこには歴史性が欠けている。作品に直接政治を反映させることは、社会主義リアリズムやプロ…

子規-蕪村と漱石

正岡子規によれば、蕪村が自身の俳句において、漢語や古語を多用したことは、作品を複雑化させるための意識的な選択だった。芭蕉の句にも、蕪村的な実験が無かったとは言えないが、次第に古池の句*1に代表される平明さへと収斂してゆくし、芭蕉以後、幾人か…

雲割れて日の照り返る青田かな

水面に生きものの気配無し隅田川行く舟の提灯赤し隅田川

老猫の末期の声や百足草

土より出て飛ばず

丸窓に地蔵抱きし紫陽花寺 (鎌倉にて)