2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

PUNCTUM TIMES 創刊号

京橋のギャラリーPUNCTUMが、季刊の新聞PUNCTUM TIMES(無料)を創刊しました。そこに、『アートと資本主義』という題で、連載エッセイを寄稿しています。 PUNCTUMの他、都内では青山ブックセンター本店・六本木店・自由が丘店、ラボEAST WEST内代官山フォト…

『愛より強い旅』 トニー・ガトリフ監督

久々に見るロードムービーらしいロードムービー。自身の音楽に行き詰まった主人公が、自らの出自を求めて、恋人と共に、パリからアンダルシア、モロッコを経て、アルジェリアへと向う。貧乏旅行に加え、天性の非常識さが、二人の珍道中に拍車をかけている。…

人間の犯した罪は、奇跡的な一回性によってのみ、赦されるのでなければならない。罪人の懺悔に伴い、赦す側に互酬的な感情が発生することを前提とするならば、可能世界において、そのような赦しが先取りされるという事態が起こり得るからである。赦しが一回…

武満徹 Visions in Time展

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武満徹の楽譜などの資料と共に、生前武満と親交があったり、武満が特に関心を示した芸術家の作品を、同時に展示した多面的な展覧会。北代省三、山口勝弘、瀧口修造など、実験工房で一緒だった面々の作品や、ジャスパー・ジョーンズ、サム・フランシス、宇佐…

日本民藝館、柳邸、スリップウェア

駒場の日本民藝館に行くと、偶然本館の向いにある柳邸の修復披露を行なっていた。いつになく人の入りが多い。柳宗悦自身が設計したというこの家は、和洋折衷様式で建てられており、本館同様基礎部分の石と木造との対比が印象的である。内部空間においても洋…

リュック・タイマンス展 ワコウ・ワークス・オブ・アート

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リュック・タイマンスの作品は、ポラロイドや映像などの先行するイメージを手掛かりに描かれることが多い。描かれているものは、人物や室内、風景や植物など多岐に渡っているが、いずれも対象と映像とのズレが更にそれを絵筆で描くことによって増幅されてお…

伊藤若冲 「動植綵絵」

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皇居の大手門内にある、三の丸尚蔵館で伊藤若冲の「動植綵絵」を見た。若冲の絵は形態への意志と写生とが特異に切り結んでいるという観点から、西洋画におけるセザンヌと似た位置にあると思われた。同じ江戸時代の画家で言えば宗達や光琳、西洋ではセザンヌ…